ご自宅の土地に相続税がかかりそう――そんな時に真っ先に検討したいのが「小規模宅地等の特例」です。今回は利用者が最も多い 自宅用(特定居住用宅地等) に焦点を当て、難しい専門用語をできるだけ使わずにポイントを整理しました。
例: 相続人が配偶者と子ども2人の場合
3,000万円+600万円×3= 4,800万円 が基礎控除。
遺産総額が4,800万円以下なら基本的に相続税はかかりません。
▶ 詳しくは 国税庁タックスアンサー No.4102 をご覧ください。
相続した土地の評価額を最大80%も下げられる相続税の節税制度です。自宅用・事業用・賃貸用と種類がありますが、ここでは 自宅用(特定居住用宅地等) に絞って解説します。
路線価(1㎡) | 土地面積 | 特例適用前評価額 | 特例適用後評価額(▲80%) | 節税額(税率15%) |
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30万円 | 200㎡ | 6,000万円 | 1,200万円 | 約720万円 |
評価減の上限面積は330㎡。330㎡以内なら路線価が高いほど節税額が大きくなります。
▶ 制度の詳細は タックスアンサー No.4124 をご覧ください。
パターン | 簡単な条件 | キーワード |
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① 配偶者 | 相続で自宅の土地を取得すれば OK | 配偶者はほぼ無条件 |
② 同居のご家族 | 相続開始時点で被相続人と同じ家に住み、相続後もそのまま居住 | 同居継続 |
③ 持ち家がない別居の子 (いわゆる〈家なき子〉) |
①②に当てはまらず、自分名義の家を3年以内も含め持っていない | 家を持っていない |
共通の大原則:① 自宅として住み続けること ② 申告期限まで土地を売らないこと
ワンポイント: 申告書作成には専門知識が必要です。お早めに税理士へご相談ください。
ケース | なぜNG? | 回避策 |
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区分登記された二世帯住宅 | 建物が完全に分かれていると「同居」と認められないケースが多い | 内部で行き来できる構造か早めに確認 |
申告前に土地を売却 | 継続保有要件を満たせず特例が取り消し | 納税資金は生命保険や預金で確保 |
“家なき子”だけど投資用マンションを保有 | 自分名義の住宅が1つでもあるとアウト | 相続前3年間の所有状況もチェック |
A.要件を満たせば可能です。入所前に本人が住んでいた自宅であり、空き家のまま維持されていた等の条件を確認してください。
A.330㎡までは80%減額、それを超える部分は減額なしで評価します。面積が大きい場合は切り分けて売却や贈与を検討する方法もあります。
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「うちも使えるか知りたい」「申告期限が迫っていて不安」という方はお気軽にお問い合わせください。
ご注意
本記事は令和7年5月現在の法律・通達に基づいて作成しています。今後の法改正や個別事情により取扱いが変わる場合があります。最終的な判断は必ず税理士など専門家にご相談ください。